一千年後もきっとそうだろう(4月1日~4月15日)
取り急ぎ今月前半分.
4/1
「令和」であります.かっこいい.実験室でニュースをでみる.「令和生まれが良かったな」と思ったが,少し経って「まあ平成生まれも悪くないよな」と思った.自分の中に実は平成への思い入れがあったことに驚く.
4/2
GIGAZINEと土地の話から警察について考える.確かに言われてみれば警察は「起きたこと」を対象に動くのであって,「起きるかもしれないこと」については動く組織ではないという発見があった.でもたしかに「起きるかもしれないこと」に動くのは警備や公安の仕事である気がする.
別の話だが,GIGAZINE地上げルポ,いままで一貫して第三者として記事をまとめてきたGIGAZINEがいきなり当事者になった顛末を独特のGIGAZINE文法でまとめているの,さながら異世界転生モノの趣きがある.
4/3
ミツメと集団行動の新譜を聴く.どちらも良い.ミツメの今作のジャケ画は本当にどこを見ればよいのかわからなくて革新的だ.
集団行動は全体的に聴きやすいが,「チグリス・リバー」がむちゃんこに良くて飛び上がってしまった.この方向性で一枚アルバムを作っていただきたい.
4/4
自分の好きな人たちが自分の嫌いな人たちと仲良いことへのもやもやがいつまで経っても慣れない.これは多分一千年後もきっとそうだろう.
4/7
玉田企画「かえるバード」を見に行く.いつもと異なりロケーションが固定されていない芝居で新鮮だった.見終わった後に「愛だ」と思う.そのあと考えたところではおそらく「愛というのは(誰かのことを想うという)基本的に自己中心的な感情でそれを受け取る人がいてはじめて成立するんだな」という感情のあらわれであった.どこにも向かい手のない「愛」の感情が交差していてとてもおもしろい舞台だった.(性的ではないので恋ではない)
アフタートークは「きみの鳥は歌える」の三宅監督.演劇と映画の違い,という話で,「映画は写すものはすべて,見せたいもの」であるので無言の人が立っているという画は非常に意味が出てしまう,演劇はなにげなく人を配置することができるが映画ではできない,という話がおもしろかった.
終演後に玉田さんに次回公演の仮フライヤーを渡す.そのあとタイ料理を食べた.
4/10
Apple Musicを1年使ったのでSpotifyに移行してみる.1年後にどちらを使うか決めるつもり.
4/13
さらざんまい1話.期待通りめちゃくちゃいい.キャッチーでアイコニックでありながら不穏だ.素晴らしく楽しみ.イクニアニメがある春最高.
Google TasksのCanvasモードが死んだが,我々にはGtaskDがある
桜 super loveの季節(3月16日~3月31日)
いろいろ忙しさにかまけている.
3/16
友人に勧められた「左利きのエレン」を読む.集中力の話があったが,おれは「深さ:浅,長さ:短,速さ:遅」なので死です.
3/17
「BABA IS YOU」というゲームをSteamで買う.前提を書き換え続けるゲーム.おもしろすぎる.ほんとにずっとおもしろい.考えた人絶対プログラミング得意マンだ.
3/20
大阪の本屋,スタンダードブックストアが閉店することを知る.ショックだ.混んでないのにおしゃれで.カフェが併設されていてとてもよく利用していた.いろいろな本や雑貨と出会ったし,日常の過ごし方を知った場所だった.ああいう店,東京にできないかな.CCCはお呼びじゃない.
3/21
こんまりのNetflixの作品「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」を見る.おもしろい.1話は普通の片付け番組だったのに,だんだんどこにフォーカスを当てると作品がおもしろくなるのか,つくり手が見つけていく様子が伝わってくる.おそらくキーワードは「禅とストーリー性」.家への挨拶あたりはいかにもZENって感じで西洋の人は好きそうだ.あとなぜ捨てるのか?というストーリー性が一番の肝であるので,5話くらいから,こんまり登場前の家の様子とこんまりいなくなったあとの後日談が挿入されるようになった.
3/23
所用で名古屋に行く.着いてすぐ矢場とんの味噌かつを食べる.昔は名古屋のことを蛇蝎のごとく嫌っていたのに,いつのまにかそんな思いは消えてしまった.なぜ嫌いだったのか今では思い出せない.名古屋城は改修工事中らしい.ひつまぶしと迷ったが,寿がきやのラーメンを食べて帰る.駅前のスガキヤにはラーメンにアイスを乗せる文化はなかった.
県の話の続きだが,昔は県disみたいなの大好きだったのに,いつのまにかそんなに好きではなくなってしまった.大阪と京都はどっちも自分が一番だと思ってるし,神戸はそんな双方を見ながら,まあ自分が一番だけどねとおしゃれぶっている,奈良はうちも悪くないですよというスタンスだし,滋賀は水どころだ.だからなんだって言うんだ.
3/24
「ストレンジャー・シングス」を見始める.
3/27
the fin.とTempalayの対バンを見る,はずだったが,間に合わずフィンのみを見る.Tempalay,朝霧JAMでも間に合わなかったし,つくづくめぐり合わせが悪い.
3/31
桜 super loveの季節.
理想の老人(3月1日~3月15日)
3/1
3月になった.3月は暖かくなるので良い.3月はおしゃれなので,ミツメを聞きながら村上春樹の短編(「カンガルー日和」とか)を読みたくなる.なにかをはじめたくなるし,いろいろなものを手に入れたくなる.案の定カバンと帽子と信仰とニューバランスが買いたくなった.ソールがカラフルなやつ.火星のヒカリエで蛍光色のレザーバッグを買う.
3/5
3月になったあたりで突然レミオロメンをぶり返す.3月9日を日々日付けだけ変えて口ずさむ.流れで南風も口ずさむ.業務中に藤巻亮太のウィキペディアを読んでいると,今度セルフカバーアルバムを出すことを知った.その夜のエムステを数億年ぶりに見る.
3/6
HOCHONO HOUSE!細野晴臣の佇まい,めちゃくちゃかっこよくて,理想の老人だ.長谷敏司の「My Humanity」を読む.最近読む本読む本すべてAIの話をしている.
3/8.5
真藤順丈の「宝島」を読む.本,このペースでおもしろいものが世の中に出ていくことに軽く絶望する.なにやったって敵いやしない.「物語を重ね合わせて密度を高くする」とメモる.その頃,ヨーロッパでは見渡す限りの銀世界と獲物を狙うアカギツネ.僕がようやく夕飯のサラダにありつくとき,彼は雪穴から野ネズミを引っ張り出す.
3/10
今期は「かぐや様は告らせたい」一択.藤原書紀.
3/13
この睡眠は僕だけのものだ.誰にも奪わせない.
『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(青ブタ)』がゼロ年代を生きてきたおれたちにはたまらない
言いたいことはすべてタイトルで言ったパターン.
『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』,見てますか?最高ですよね.
まじほぼなんの前情報も期待ももたず見始めたらガチガチにハマってしまった.
タイトルだけみるとクソダサのダサなんですけど,今となっては一周回ってアリアリのアリ.届いて欲しい層には届いているタイトルなのかも.
とにかく,この作品,"旧い"んですよね.
かおるかおるゼロ年代のラノベ臭.『イリヤの空、UFOの夏』,竜騎士07,西尾維新,奈須きのこ,『空の境界』,『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』.
おれはこういうセカイ系っぽいにおいが大好きなんだ.
そういえば,いつのまにかこういうにおいのする作品は少なくなっていたことに気付かされた.感覚的には中高時代に飲んでた「なし水」を久々に飲んだのと近い.そう!これこれ!
あの頃,貪るように読んだ「異変のある日常」の記憶が呼び起こされるよう.
あらすじ「無気力系主人公が可愛い女の子たちの暴走する自意識によるセカイ改変をなんやかんや食い止めつつ,学校通ったり逃避行したり夏空の下であちーっていいながらアイス食べたりする.」
そう!これこれ!!
アイスの下りはまだ見てないけど多分おそらくこれからどうせ出てくる!おれにはわかる!
5話まで見たけど本当にしっかりと王道にゼロ年代やってて感心してしまった.
ゼロ年代に生きたおれたちは要チェックですよ.
OP歌ってるthe peggiesもいいですよね.青春感でてる.
そういえばゼロ年代のラノベがセカイ系なら,音楽はきっと残響系だった.雰囲気似てるし.
彼らを過去に追いやったのはなんだったのかな.自分とセカイとの対比から,自分の手の届く範囲の周囲との関係に,残響系からシティ・ポップに引導を渡した黒幕は一体誰だったんだろう.
やっぱり初音ミクかな.
けいぞく
あらゆる人間が,成功には続けることが第一と言っている.
サニーデイ・サービスの生き急ぐような2年間の真相。5人が綴る - コラム : CINRA.NET
【挑戦】美術のプロを唸らせろ! 初心者だらけの「現代アート展」! | オモコロ
そうだよなあ.と思っている.
そういわれてもなあ,とも思っている.
崎山蒼志という天才について
崎山くんについてはもう語られすぎるほど語られているけれど、一応書いておく。
崎山くんの魅力は世界観にある。
その世界観は曲の展開、ギターテクニック、歌詞、そして佇まいに依るところなんだけれど、とにもかくにもワードチョイスが素晴らしい。
ひとは「思ってたんと違う」、すなわち「飛躍」に惹きつけられる。(すべて思い通りの世界はつまらない)
君がいた 100年前だ
:夏至
夏至なんかはこの一文であっという間に崎山世界に連れていかれてしまう。
もうひとつ、夏至を彼は「夏を追憶する感じの曲です」というようなことを言っていたけれど、この追憶というところがおそろしい。
彼はまだ16歳かそこらだし、夏はまだ追憶するものではない。
でも確かにこの曲に僕らは懐かしさを覚える。
この感じ、僕らは知っている。
ジブリだ。
崎山蒼志の世界観にはとなりのトトロや千と千尋の神隠しのような手触りがある。
この手触りは、おそらく「なんか過去にあったような気がする光景」(そんなものは誰も持っていない)を切り取って言葉にするのがうますぎる、ということなんだと思う。
日本語話者の共有する世界観を顕現させる。これは千と千尋のはじめの引越しやだなあってところに流れてる久石譲のOne Summer’s Dayとまったくおなじである。
いつのまにか世界観に浸かってしまって戻れない。
崎山くんは向井秀徳(ex.ナンバーガール)のファンらしい。解散したときまだ生まれたか生まれてないかってとこなのに。
ナンバーガールはその後のアジカンなどにつながる文学ロックの系譜なので、完全に納得である。
そういえば垢抜けない佇まい、なんとなく向井秀徳に似ている。
日村がゆくはイカ天になった。
(その場合の崎山くんはたまになるけれど)
つまりはやくSMAは「初期の崎山蒼志」をリリースしてくださいとのことです。