祭すとかっと2

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崎山蒼志という天才について

崎山くんについてはもう語られすぎるほど語られているけれど、一応書いておく。

 

崎山くんの魅力は世界観にある。

その世界観は曲の展開、ギターテクニック、歌詞、そして佇まいに依るところなんだけれど、とにもかくにもワードチョイスが素晴らしい。

ひとは「思ってたんと違う」、すなわち「飛躍」に惹きつけられる。(すべて思い通りの世界はつまらない)

君がいた 100年前だ

夏至

崎山蒼志「夏至」(MV) - YouTube

夏至なんかはこの一文であっという間に崎山世界に連れていかれてしまう。

 

もうひとつ、夏至を彼は「夏を追憶する感じの曲です」というようなことを言っていたけれど、この追憶というところがおそろしい。

彼はまだ16歳かそこらだし、夏はまだ追憶するものではない。

でも確かにこの曲に僕らは懐かしさを覚える。

この感じ、僕らは知っている。

ジブリだ。

崎山蒼志の世界観にはとなりのトトロ千と千尋の神隠しのような手触りがある。

この手触りは、おそらく「なんか過去にあったような気がする光景」(そんなものは誰も持っていない)を切り取って言葉にするのがうますぎる、ということなんだと思う。

日本語話者の共有する世界観を顕現させる。これは千と千尋のはじめの引越しやだなあってところに流れてる久石譲のOne Summer’s Dayとまったくおなじである。

いつのまにか世界観に浸かってしまって戻れない。

 

崎山くんは向井秀徳(ex.ナンバーガール)のファンらしい。解散したときまだ生まれたか生まれてないかってとこなのに。

ナンバーガールはその後のアジカンなどにつながる文学ロックの系譜なので、完全に納得である。

そういえば垢抜けない佇まい、なんとなく向井秀徳に似ている。

 

日村がゆくはイカ天になった。

このままガリガリアーティストを発掘してほしい。

(その場合の崎山くんはたまになるけれど)

 

つまりはやくSMAは「初期の崎山蒼志」をリリースしてくださいとのことです。