祭すとかっと2

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村上春樹がベストセラーになることについて

久しぶりに本を読んだ。

本を読む行為が久しぶりなことに悲しむ。中高の頃は毎日読んでたのに。

「世界から猫が消えたなら」という本を図書館で読了。40分ほど。つまらなかった。

村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を借り、先ほど読み終わった。3時間弱くらい。おもしろかった。

「それは君が馬鹿だからだよ」とエリは人差し指の先でこめかみを押さえていった。「あんなに長く一緒にいたんだもの、そして私としては、少しずつしるしを出していたんだもの、僅かなりとも脳みそというものがあれば、簡単に気がついたはずなのに」

この文章が気に入った。

読んでいて思ったのだけれど「ミネラル・ウォーター」のようにあえて中点とか使って堅い言葉で書くと、少し文章が引き締まるんだね。多分森博嗣の「コンピュータ」とかもそういう技法だろうな。

村上春樹は「ノルウェイの森」を中学の頃はじめに読みクソだな、という感想をいだき長らく読んでなかったのだけれど、高校の頃に「海辺のカフカ」を読んでとてもおもしろくて衝撃を受けたことを覚えている。それから一月読み漁った。

「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」が一番好き。

村上春樹の本は結構わかりにくい内容だと思うのだけれど、これがベストセラーになるってのは結構いいことなんじゃないかなって思う。たとえオシャレ的だとしても。「世界から猫が消えたなら」とか「陽だまりの彼女」みたいなのが売れるよりも希望がある気がする。まだまだいけんじゃん、的な。

基本的に世の中の人の大概はアホだって思って暮らしてるのだけれど、時々もしかしたらそうでもないんじゃないかっていうピースが日常に転がってるのがおもしろい。

本当に魅力的なものは意外と広まる。とても好ましくて綺麗な現象だと思う。