細田守「未来のミライ」を観た
期待値2くらいだったけど、そこまで悪くなかった。
細田監督のホームビデオと聞いていたのも大きいかもしれない。
内容としては家族という枠組みで括ったオムニバス作品という感じ。短編アニメーションの質感。
話は絵本みたいだった。途中で一瞬おれたちは何を見せられているんだ?とはなる。
細田守はサマーウォーズから一貫して「家族の絆」や「血」をテーマに作品をつくっている。そこにブレはない。
ただ悲しいことにそのサマーウォーズで世間からは「すげーおもしろいアドベンチャーアニメつくるひと」と認識されてしまった。
世間が期待するのはウォーゲームや時かけ、サマーウォーズのような「夏のスペクタクル」で、需要と供給が一致していない。その齟齬がずーっと軋んでいる。
この歪みの構造をこれまで僕たちは散々目にしてきた。
Galileo Galileiはおおきく振りかぶっての主題歌などいわゆる青春系の曲で人気を博したけれど、どんどん彼らのテーマは洋楽的な方向にいき、しまいには解散してしまった。
そして彼らはいま、ほぼ同じメンバーでBird Bear Hare and Fishを結成している。Galileo Galileiという名につきまとうイメージから抜け出して。
いいたいことは、細田監督も「スタジオ地図」ではなく「スタジオ血族」などにしてみるのはどうでしょうという提案です。
ただ、もしかするとこれくらいパーソナルな作品を宣伝次第でこんなにたくさんの人たちに見せられる、というのは作り手としては大成功なのかもしれないな。
見せて仕舞えば勝ちというところもあるので。