祭すとかっと2

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映像「ある掲示板の衰退について」(10:32) 書き起こし

>夜のネオン街、さわがしい路上(新宿?)、ホームレス風の男性にインタビュアが話しかけている
男A「だから俺たちはやめることにしたんだよ」
イ「ん?すみません、なんですか?」
男A「やめることにしたんだって」
イ「なに、なにをです?」
男A「2ちゃんねるだよ」

>場面変わって昼、オフィスビル(高いところ?)、椅子に座ったスーツを着たメガネのインテリっぽい男性とインタビュア
男B「その頃、2chにはアフィブログと呼ばれる書き込みを転載して金儲けしようとする存在が大きな問題となっていました」
男B「私たちの書き込んだことを恣意的にまとめた挙句、収入源にするものたちへの反発があったのです」
イ「その頃、と言うのはいつ頃ですか?」
男B「2012、、いや2011年頃ですね」
イ「なるほど」
男B「アフィブロガーに対して私たちは転載禁止を掲示板のルールに盛り込むなど様々な対応を行いましたが、結局転載する側にルールなどあったものではなく、ルールを制定しては破られる、いたちごっこの状況が続いていました」
男B「またアフィブログからの新規参入者はアフィブログに概ね好意的なものも多く、板の中での意識統一すらままならないことも多くあったようです」
イ「アフィブログからの新規参入者はかなり増えていたんじゃないですか?」
男B「ええ、その頃には住民のかなりの割合を占めるまでになっていました」
男B「古くからいる住民も大勢を変えることはできず、半ば諦めムードが漂っていました」
イ「失礼ですが、常駐板はどちらだったんですか?」
男B「もともとはν速に常駐していました。あとは科学ニュース板の記者なども勤めていました」
イ「結構どっぷりだったんですね」
男B「ええ、あの頃は会社と2chを行き来するような生活でしたね」
イ「なるほど、すみません、続けてください」
男B「一向に好転しない状況に私たちの間にはかなり諦観のムードが流れていました」
男B「そんなときにあのスレッドを見つけたのです」

>場面変わって再び路上
男A「俺はν速系を中心にまあいろいろ、競馬とかだな、やってたんだけどよ、」
男A「なんかそんときなんかのスレに誘導があったのよ、たしかν速のスレだったと思うんだけどさ、現状への不満があるやつ集まれとかそんなんだったような気がするな」
イ「なにかの板へのですか?」
男A「いや、オニオンchへのだよ」
男A「でまあ俺もほら、そんときアフィブログ、いやアフィブログというよりアフィブログからの流入民だな、さんざん嫌気さしてたからさ、飛んだの」
男A「そこで大福さんたちと会ったのよ」

>昼、どこかの自宅、おじいさんがソファに座っている
イ「失礼ですが常駐版を教えて下さい」
男C「わたしはもともとロビーにおりまして、その後ラウンジに移りました、他の板もいろいろと覗いてはいましたが常駐版というとラウンジになるかと思います」
イ「いまは...?」
男C「ええ、大福さんの書き込みに賛同してからは一切書き込んでおりません、見てもいませんね」
イ「アフィブログに反抗する流れはラウンジ板でもあったのでしょうか?」
男C「ラウンジはその頃最盛期をとうに過ぎていたこともあってあまり直接的な影響はなかったように思います」
男C「ただ、とはいっても同じサイト内での話ですから、いろいろ情報は聞こえてきましたし、なんか嫌だな、という気持ちはあったように思います」
イ「大福さんの建てたスレッドをのぞいたのはなぜですか?」
男C「わたしも詳しくは覚えていないのですが、たしかおもしろいことをしようとしているやつらがいるというような書き込みがラウンジにあったのが始まりだったように記憶しています」
イ「そこで覗いてみて大福さんの意見に賛同したとそういうことですか」
男C「はい、そうですね」
男C「まあ、その頃そろそろ潮時だな、と個人的に薄々感じていたというのもあったかとは思いますが」

>場面変わってオフィス
男B「大福さんの建てたスレッドは『2chを今後どうするか真剣に話し合わないか』といったスレッドだったように思います」
男B「それだけならよくその頃ν速に建てられていたスレッドとなんら変わらないのですが、異なるのは住民が総じて真剣だったことですね」
男B「普通はよく出てくるアフィブログ肯定派やどうでもいい派、荒らしなどが殆どいなかったのです」
イ「それに何か理由があるのですか?」
男B「詳しいことはわかりませんが、やはりスレを見ること自体の難易度が高かったことが原因ではないでしょうか」
男B「誰でも見えるとは言え、専用ソフトのインストールなどが必要でしたので参入障壁は高かったように思います」
イ「なるほど」
男B「はじめは喧々諤々の議論と言った形で別に大福氏にも特別な意見やアイデアはなかったようです」
男B「ただ、皆で議論しているうちに全員の総意がなんとはなしにまとまっていく印象を受けました」
男B「それが『2chをやめる』、ということです」
イ「そこが一番不思議な点なんですが、なぜやめる、といういわば諦めの手段を取ることになってしまったのでしょうか」
男B「やはりそれまでいろいろやってだめだったというのが大きかったのだと思います、様々なアイデアは出るものの前例からおそらく失敗するだろうというものばかりでした」
イ「それで、どうにもならないなら壊してしまえ、とそういうことでしょうか」
男B「ええ、アフィブログに一番影響を与えられることは何かと考えたんですね、その結果が『転載するものがない』ことではないかという結論になったのです」
男B「あと私たちもいい加減飽き飽きしていたのだと思います、いたちごっこに」

>場面変わって昼、大学のキャンパス?、中庭のようなところのベンチに若い男性
イ「2chをやめてからどれくらいになりますか?」
男D「あれは中3の時だから...もう5年くらい前になりますね」
イ「いまはどんなサイトを見ているんですか?」
男D「基本的に殆どTwitterを使っています、ネット用とリアルの友達用で複数のアカウントを使ってコミュニケーションをとっています、あとはInstagramと...Youtubeですかね、Facebookは殆ど見ません」
イ「中学生の時にハマっている2chをやめるという選択はかなり辛いものだったのではないですか?」
男D「そうですね、かなり辛いものでした」
男D「もともと僕は小学生くらいの時から親にもらったPCでネットなんかを見ていて、2chにいくようになったのも小6とかだったので」
イ「やはりやめた理由は大福さんのスレを見てですか?」
男D「ええ、まあ間接的にはそうですね、僕はそのスレッド自体はリアルタイムで見ていないんですが、その後の呼びかけに賛同して2chをやめることにしたといった感じです」
イ「その呼びかけはどこで行われていましたか?」
男D「たしかTwitterだったかと思います」
イ「なぜ賛同したのでしょうか」
男D「たぶん中学生ながら、自分は古参だぞという思いがあったのだと思います」
男D「中高一貫の男子校だったんですが中3頃にもなるとまわりがアフィブログを見るようになってきて、休み時間とかにハム速とかのアフィブログで話題になったこととかを話してるんです」
男D「それがたまらなく嫌で、アフィブログなんて見るなよ!と心の中で憤っていた記憶があります」
イ「なるほど、その思いからアフィブログ撲滅のために2chをやめることにしたと」
男D「はい、まあ彼らがアフィブログやめて2ch見るようになってもそれはそれで古参ぶってムカついてたような気はしますが」(笑い)

>場面変わって昼、屋内、後ろに窓(外国?)、白人の男性とインタビュアと通訳、白人の男性の言葉は字幕書き起こし
イ「本日はお忙しい中ありがとうございました」
男E「ええ、問題ないよ」
イ「失礼ですが、自己紹介をお願いいたします」
男E「Jimといいます、いまは5chの管理人をしています」
イ「お尋ねしたいことはいろいろあるんですが...Jimさんは2chの管理権を握って移行、いろいろな板を転載禁止にしていますね、これはアフィブログに対抗してでしょうか」
男E「ええ、そうですね、2chにとってアフィブログは運営費を稼ぐのに非常に厄介な存在でした、なぜなら私たちの財産とも言える書き込みを無断で転載して金儲けするのですから」
男E「そこで私たちは転載禁止にすることでアフィブログに対抗することにしたのです」
イ「Jimさんは、大福さんをご存知でしょうか」
男E「ええ、もちろん」
男E「もともと私がアフィブログを嫌い、2chの運営を行うようになったのも大福氏のスレッドを見たのがきっかけですから」
イ「そうだったんですか」
男E「あのころ2chには欲望が渦巻いていました、私は2ch4chanも仕事上良く見ますが、あの頃の日本のネットはおかしかった、全体として拝金主義に向かっているような印象を受けました」
男E「私はかつてのフリーな日本のネットが好きだったのでとても悲しく、その一助になればと思ったのです」

>場面変わって夜?、おそらくカフェ、カメラは机の上に置かれているよう、赤のチェック柄のシャツが写っている、顔などは見えない
イ「こんにちは」
男F「こんにちは」
イ「えー改めて、大福さんでよろしいでしょうか」
男F「はい」
イ「私は今、2ch衰退の原因を探っておりまして、その裏に大福さんの力があるのではないかということで今回インタビューをさせていただきました」
男F「はい」
イ「えー、よろしければ大福さんが2ch衰退の原因となったスレッドを建てたあたりの詳しいお話を伺いたいのですが」
男F「はい、そうですね、、、まあたしかにわたしの建てたスレがきっかけでは有りましたが、わたしの力だけで2chは衰退したわけではないと思います、実際2chを見ない書き込まないというアイデアはわたしもスレを立てた当初は持っていませんでした」
イ「しかし、あのスレッドから大きく2chの歴史は変わりました」
男F「そうですね、たしかにわたしはその頃2chを取り巻く状況にうんざりしていまして、それをなんとかできないかとスレを立てました」
男F「そのスレッドの中で様々なアイデアが出たのですが、結果として『2chをやめる』のがベストという結論に至りました」
男F「そうですね、しいてわたしがやったことといえばあのアイデアを広めることですかね」
イ「といいますと」
男F「そうですね、2chのスレやTwitter、ブログなどを使って、いかに『意見に賛同してくれる仲間を増やすか』考えました」
男F「そしてそれと同時に、いかに『意見に賛同しないであろう人たちに目に触れないようにするか』ということも考え実行しました」
イ「なるほど、そうだったんですね、実際私もそのころネットはやっていたんですが正直2chをやめようという動きがあることには全く気づきせんでした」
男F「ええ、それも当然だと思いますよ、なるべく気づかれないようにやっていましたから、ただそれでも本当に危機感のある人の目には止まるものです」
イ「そして2chを集団でやめる流れにつながっていくと」
男F「はい」
イ「実際、2011年には9億7千万あった書き込みも2012年には9億3千万、2013年には8億件にまで落ち込んでいます」
男F「やはり危機感があったのだと思います、といってもわたしも2012年以降は全く2chを見ていないのでなんともいえませんが」
イ「2chをやめると言うのは大きな決断だったのではないでしょうか」
男F「それはそうでしたね」
男F「ただ、もともとわたしたちが大きくしたという自負があるサイトでしたので、そのサイトが食い物にされることに大きな抵抗感があったんですね」
男F「せめて最後の幕引き、まあわたしたちの世代にとっての、ですが、それくらいはやってやろうと、そういう気持ちがありました」
イ「いまの2ch、いえいまは5chですが、どのような感情を持っていますか」
男F「わたしたちの2chはわたしたちが看取ったのでいまの2chはまた別の2chなのだと思います」
男F「サイト、ネットの流れといったものは次々と世代交代をしていくのが常だと思いますので、特になんの感情も持っていませんね」
男F「新しい2chにも次の終焉までがんばって一時代を築いてほしいと思います」
イ「わかりました、本日はありがとうございました」
男F「ありがとうございました」